Resonance Lab. レポート

マーケットの動き

Pick up hot styles in London 

変化や経年を楽しむ柔軟性と、無理なく持続する緩やかさ

加藤 麻希

 Brexit の動向が注目されるロンドン。EU 離脱という大事を控えたロンドンで人々が熱い視線を送っていたのは、ラグビーの熱戦だった。ちょうど訪問のタイミングに日本で開催されていたラグビーワールドカップは、日本でも想像以上の盛りあがりをみせていた。ロンドナーが見入るTV 画面の中の<YOKOHAMA>という文字を見て、まさにスポーツは世界を繋いでる!と実感した次第。さて、今回の目的は、マーケットやPop up発祥の地ロンドンでの実態調査。ロンドナーたちはカップ片手に、身軽に手軽に気まぐれにフラッとササッと日常的にマーケットを利用していた。高効率を求められるはずの超都心でもその日常は継続され、マーケットは生活に根差していた。伝統的マーケットと最先端テクノロジー、超高層ビルと低層コンテナショップ、子育ての中心に立つ新しい価値観のパパたちが支持する懐かしい玩具や再生されたアート空間。それらをジブンの好みとセンスで選んで組み合わせて楽しんでいる。ショッピング(Shopping) というよりザッピング(Zapping)。今回は、たくさんのマーケットや施設を廻る中で感じた事、激動の時代で変わらないロンドンと、変わろうとするロンドン。その混ざりあうスタイルをライブな目線で紹介したい。

<変革直前のロンドンで、人々が変わらず視線を送り続けているもの>

God’s own junk yard

V&A museum for children

Old spitalfield market

Kempton market

Box park

Broadway market

Pop brixton

ロンドン中心地にあるパブ店内の朝8時の様子。ラグビーワールドカップ準決勝 イングランド対ニュージーランド戦の生中継に見入るロンドナーたち。静かにお行儀良く、そして時々熱狂する。上段の写真は、ロンドン市内各地の施設やマーケットの名称。

Container Box & Market Stall

 再開発が進むロンドン中心部。そんな期間限定の土地利用にぴったりなのがコンテナによるマーケット演出。コンテナの印象的なペイントや存在感はあちこちで異彩を放っていた。積み上げたコンテナのスキマにできる青空空間に
飲食店共用の客席を設えるところも多い。武骨なコンテナの地肌と食べ物が醸し出すシズル感は相性が良い。
 また、各マーケットを特徴づけるスト-ル(什器)は工夫されているものが多い。ショップの特徴に合わせて利用パーツが選択できる機能的なシステムと、未使用ストールは出しっ放しのカジュアルな運営スタイルの共存が面白い。

@Box Park

黒いコンテナをただ積み上げた巨大なマーケット。場所は、Ace Hotel も開業した北エリア ショーディッチ。下のフロアガイドのようにずらっと整列。隣のコンテナへの横移動は毎回扉を開けて外に出る事になるので、コンテナが多すぎると少し不便?

@Broadway market

イーストロンドンの代表的な週末型マーケット。平日は車両が通る道路上に店がびっしり並ぶ。マーケット近くの広場では、コンテナショップも展開。

@Old spitalfeilds market

曜日ごとにテーマが変わる1682 年から約340 年の間続く老舗マーケット。一番人気は木曜日のヴィンテージマーケット。大きなストールが特徴的。

@Pop brixton

ロンドン南部ブリクストンにあるコンテナボックス型マーケット。スタ―トアップであることが出店条件。

Natural Materials & Tech

 ナチュラル素材と最新テックの共存は、スタンダード。

@Broadway market

提供されるフードは、素朴な手作りが多い。包装紙やカトラリーにプラスチック類は使われていない。折れたり、破れたりして不便なこともあるけれどそれが当たり前。週末だけ開催のマーケットでさえ、支払いはキャシュレス対応でとてもスマート。

Tight & Black

 最近のロンドナーはとにかく全身タイトでブラック。ひらひらした服や重い前髪のジャパン女子とは全く異なっていた。金融街“city” で、最新オフィスビルの窓ごしに見えるのは、タイトな黒スーツに身を包んだオフィスワーカーたち。

@Old spitalfield market

バイシクルショップで見かけた子。アウターもインナーもバッグパックもバイシクルもオールブラック。

Mixture of Old & New

 ロンドンを含めヨーロッパでは蚤の市が人気。古いものが大切に使われている。街づくりや建築でもそれは同じだ。新しい考え方のエッジィな人も、そうでない人も双方が支持する文化や慣習なのだ。

@Kempton market

月に2回南西の競馬場で開催されるロンドンで一番有名なマーケット 。広大な敷地と隣接の建物内にびっしり物が並ぶ。

@God’ s own junkyard

映画やPV で使用されるネオンを専門で作るアトリエ兼ギャラリー。作品内で使用された著名なネオンサインに囲まれたアート空間の中でお茶ができる。

@V&A museum of children

100 年以上前の国立博物館別館だった建物を利用した子供用品博物館。世界中の玩具や教材が国別、年代毎に展示されていて興味深く懐かしい。

まとめ

 都市がもつ影響力を測る多くの指標で、常に世界5番以内に入る大都市ロンドン。そんな大都市でマーケット文化を長く継承し、効率が悪くてもそれを尊重する価値観に注目したい。日本では初上陸や新業態、そんな華やかさを競うような開発計画がまだまだ多い。今後は「居心地」や「気軽さ」を大切にし、「買い物」の便利さよりも「探し物」の楽しみに重点を置いた施設の開発計画に魅力を感じて、その出現を期待するのは、きっと私だけではない。

萌えちゃんねる Vol.013

様々な顔をもつロンドン

  ロンドンで空き室をホテルとして貸している学生寮に泊まったことがある。そこにはヨレヨレの部屋着のまま学食でダルそうにスマホを眺める気の抜けた学生たちがいて、この都市にも私のような人がいるんだと少しほっとした。感度の高いエリアに、オシャレさんが沢山集まるのは、わざわざめかしこんでそこに足を運ぶのだからあたり前で、どんな都市もイケてる人ばっかりではないことは覚えておきたい。

写真はすべて筆者撮影による

【マーケットの動き】

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