Resonance Lab. レポート

ココカラ

有事の時でも、身近で頼りになる商空間とは 

身軽な避難マインドと商空間の可能性

丸山 朋子

 前号の号外レポートにて、ポストコロナにおける今後起こりうる価値観の変化の兆しを5つの軸にまとめた。生活者の価値観が変化していく中で、レポートでもポストコロナについて想定できる考察を加えていく。レゾラボ目線で3つの項目をピックアップし「施設のこれから」「移動のこれから」「健康のこれから」を取り上げ考察しようと思う。
 1回目は、「施設のこれから」について。商空間を取り扱う者にとって新型コロナウイルスの影響は大きく、施設自体の集客こそ感染リスクが高いとみなされ大きな打撃を受けた。これまでの大型商業施設はインフラ機能を担うなど、有事の際でも必要とされるものを提供してきたはずだった。これからの商空間は、モノを売り楽しみを提供するだけでなく、改めて有事の際にも生活者にとって必要なインフラとして機能するために、今後頼りにされる「施設づくり」を考えてみる。

■ 安全が担保された“優しい賑わい” づくりが進む

 前号での価値観の変化③の中で、「ただ賑わいがあれば楽しいという価値観にも変化」を取り上げ、賑わいの再考やウイルス対策は今後の課題となっていくとお伝えした。現在でも対策を続けながら、一部施設の再開が始まっている。除菌、換気、過密超過への人数制限など、「安全が担保された“優しい賑わい” づくり」の序章だ。前号での提案のように、今後の施設計画としても耐震基準のような「ウイルス対策の基準」(ex. 一定時間での換気の徹底、密度超過に応じてアラーム警報 など)や緊急時にインモールがアウトモールになるなどの可変性はぜひとも盛り込んでいきたい項目だ。

■ 複合的な災害が起こる時代の到来

従来の避難場所

 今回深掘りするのは、複合的な災害対策への施設計画だ。
 新型コロナウイルスのような感染症だけでなく昨今の異常気象の影響から、台風や豪雨による河川の氾濫、猛暑や干ばつ、地震のなど、これまで以上に頻度高く災害に見舞われる可能性があり、その災害が複合的になる恐れがでてきた。現在の避難機能の多くは公共施設が担い、安全な場所へ避難する(逃げる)ことで生命を守ることが優先され娯楽等は備えていない。しかし今回、新型コロナウイルスによる影響の長期化により災害を“我慢” して時の経過を待つことの難しさを実感した。
 頻発する災害が想定されるなかで、今後の施設計画として「商空間が避難機能を担う」という、これまでにない「新しい避難のカタチ」について可能性を考えたい。

 

避難場所の選択肢としての『商空間』づくりへ

 

■ 身軽な避難マインドと商空間の可能性

 有事の際に一時的に避難する場所である公共施設は、被災の可能性の高い人が優先され、人数のキャパシティにも限りがある。こういった状況下での避難は緊急のものであり、より必要としている人を考慮すると自身が率先して避難することに抵抗感のある人もいるだろう。さらに、避難所機能は居心地やストレスに対する配慮は薄い。

 例えば商空間のように、普段から利用し慣れている施設が有事に避難機能を兼務すると身軽なマインドとなり、これまでは遠い存在であった「事前避難」の意識が自分ゴトとして高まる。大雨や雪の日といった場合には事前予測ができるため施設としての対策も可能であり、軽度の避難場所として商空間はこの役を担えるはずだ。
 つまり、避難=我慢ではなく、安心、快適の為の避難という考え方である。
 辛い状況でも楽しく過ごせる場所として、商空間に可能性がある。これまでに担ってきたインフラ機能だけでなく、楽しめるコンテンツを有しているため、夜通しパブリックビューイングを開催したり、大雨特別大会のようなイベントが開催されたりと、避難時でもエンタメを提供することができる。無人店舗化、ショールーミング化が進めば物の販売も可能だろう。娯楽やショッピングなどが機能として備われば、人々のストレスも軽減され快適な空間に変化する。そこでこそ広がるビジネスも出てくるだろう。これまでの一時避難は被害が収まるまでじっと時を過ごすことだった。しかし、商空間が避難機能の一部を担えばその時間の使い方も変化していく。

 

快適で、前向きな利用心理をつくることが重要

 普段から利用している場所は、軽度の災害時でも早めの避難、身軽気軽な避難の心理状態を作る。
快適さを作りだすために、商空間が担える役割は大きい。

 

■ 商空間での「新しい避難のカタチ」アイデア

①:エックスプレイス(※1)が避難場所へ

自身の居場所機能であるエックスプレイスとして利用していた場所が、有事には避難場所へ様変わり。常時気軽に利用する場所が前向きな利用マインドを生む。
※1:前号【号外】レポート「価値観の変化のポイント④」参照

②:友人と過ごす避難

家族だけではなく、友人同士で過ごす避難も選択肢に。単身者の不安の軽減につながり、友人と好きな施設を選んでいくのが避難時のトレンドに。

 

③:エンタメ機能による不安感の低減

パブリックビューイングが開催されるなど有事/ 避難時限定の企画が行われ、避難の不安やストレスを少しでも軽減できる。

④:普段とは違うショッピング

無人店舗やショールーミング化が進むことで、有事の際でも商品の購入が可能。普段では見ないもの、買わないものでもゆっくりした時間の中では目に留まる。

⑤:可変性のある避難用具

空気による伸縮可能なベッドや間仕切り機能など通常空間が瞬時にパーソナル空間へ可変できるような機能があるとよい。

⑥:災害だけでなく、日常の臨時避難も兼務

天候、交通、家庭内トラブルなどに対しての一時避難の場所となるなど、避難が身近な存在になることが必要だ。

 

 避難場所として商空間が定着すると、経済活動が持続できる利点もある。避難が特別な事態ではなく、安心安全の為の身近な行動という認識が増えるならば、商空間が避難場所としての機能を備え有事に稼働する準備を整えることが必要だ。今後の施設づくりには“優しい賑わい” を目指し、災害時の避難場所を組み込み、どう施設運営を行うのかを講じていきたい。商空間での付加価値のある避難サービスの提供は有料であってもよいはずだ。

萌えちゃんねる©SEMNA

萌えちゃんねる Vol.015

レゾラボメンバーのSTAY HOME 充実度をチェック!

007:ゆとり世代1

STAY HOME充実度100%
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STAY HOME充実度100%

 これまでの人生で「休みの日なにしてるの?」と聞かれる度に若干肩身の
狭い思いをしながら「家にいます」と答えてきたインドア派だが、休みの日にみんなが家にいるこの情勢下では、胸を張って“いつも” 家でなにをしているのかを語りたいと思う。
 直近の一ヶ月だけでも、シルクスクリーンプリント、レジン工作、ミニチュア工作、プラモデル制作、ミシンを使った手芸、ビーズ手芸、水彩画、お菓子作り、など挙げ始めたらきりがないが、根底にあるのは何かを作りたいという欲求である。この欲求がどこから湧いてくるのかを考えてみたが、あまり深い意味はなく、とにかく身体を動かしていたいという運動好きの人のように、とにかく指先を動かしてなにか作っていないと落ち着かないのだ。最近はこれだけやってもまだ飽き足らず、オンラインのフレンチノット刺繍の講座を申し込んだ。
 この創作意欲にもモチベーションアップのきっかけは色々あって、現在のトップに来るのはSNS でみんなに見てもらえるということだ。ただの素人なので人数はたかが知れているが、それでもSNS が無かった時代に比べたら圧倒的に多くの人の目に留まる。リアルの世界では関わるチャンスの無いような人から感想をもらえるのも励みになる。また、家で一人黙々と作業するという趣味の特性上、これまでは趣味仲間が出来づらかったが、SNS で作品を発信するようになって自然と仲間が増えていった。仲間同士お互いに作品を見せ合ったり、テクニックなどの情報交換をしている。そんな楽しさもあいまって“いつも” 家にいるのである。

【シルクスクリーン】

版画の一種である。布に印刷できるのが魅力。専用の溶液で一度版をつくると同じ柄を何度も印刷できるようになる。この手法は一度に沢山つくれるのでオリジナルグッズの展開に重宝しており、沢山作っては欲しい人に配って楽しんでいる。

シルクスクリーン1
シルクスクリーン2
シルククスリーン3

【 レジン工作】

UV レジンという紫外線を照射すると硬化する樹脂を使った工作。「こんなアクセサリーがあったらいいな」と思いついてはDIY している。

【 ミニチュア工作】

身近にあるものをモチーフに、紙や粘土でミニチュアを作成。本物みたい!と驚かれるのが快感。

レジン工作1
レジン工作2
ミニチュア工作1
ミニチュア工作2

001:バブル世代

STAY HOME充実度50%

 家の中の音響および映像投影システムを強化し、各種コンテンツの超快適体験
を楽しんでいる。仕事でも強化した投影システムが効果を発揮し、自宅でのプレゼンの練習が可能になった。通勤時間が無くなることで心に余裕ができ、家事も前向きな気持ちでできる。最も不便なのは、WEB 会議が家人と重なった場合。やはり家以外でWEB 会議可能な場所を複数もつ必要があると感じる。

006:氷河期世代

STAY HOME充実度40%

 楽しみにしていたエアアジア(※2)での激安ホノルル旅行を延期した。(追記レポートの予定だったのに笑)。ZOOM ヨガに参加したり、料理の幅を広げたり。毎日朝昼晩と自分の作ったものを食べ続ける苦痛を無理やり前向きに変化させるため、WEB マガジン内のお料理本を片っ端から読み漁り、レシピをスクショして気持ちを上げている。出前系の利用はほぼない。料理の美味しさはお店の雰囲気と接客も重要だからだ。

※2 : レゾラボレポート1810 号1811 号「LCC、エアアジアの魅力参照」

008:ゆとり世代 2

STAY HOME充実度20%

 007 と同じゆとり世代であるが、元来アウトドア派なので正直に言って楽しめていない。それでも休日は何時間も散歩をして妙に徒歩圏を広げてみたり、シリーズものの映画を一気見したり、料理や断捨離など「今出来ることをやっておこう」程度である。周りの友人を見てもこんな人が大多数である。早く早くと収束を待つよりも、家にいる時間をこんなにもフル活用しているインドアマスター達がうらやましい。

■ 世代差よりもキャラの差

 デジタルネイティブであるゆとり世代はデジタルを駆使してSTAY HOME を楽しんでいると想像していたが、調査の結果案外そうでもないのだと分かった。同じゆとり世代でも、インドア派の[007]の私とアウトドア派の[008]では周りの友人含め違いが大きい。“類は友を呼ぶ” とはこのことだろうか。また[001]、[006]、[008]は共通してWEB 系コンテンツを利用して家での時間を過ごしているが、3 人の世代はバラバラだ。趣味を世代で縛ることはあまり意味のないことなのだと改めて思う。

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