Resonance Lab. レポート 2020/10/26

 

新提案

「通勤」+「サービス」定期利用券の提案2

 

 

 9 月9 日に開催した【MeeetUp 7th Online】には200 名を超える方にご参加頂き、『変わり続ける生活者、これからの商業』と題してレポートだけではお伝えしきれなかったポストコロナ考察から新しい施設アイデアまでをお伝えした。本号ではさらに『通勤+ サービス型定期券』を深掘りしていきたい。

 今回考察するのは、利用できるサービスの種類をサテライトオフィスや健康関連など駅施設の利用に限定するのではなく、施設が持つ様々なサービスを個人でカスタマイズできる拡張型のアイデアだ。この考え方について詳しくお伝えする。

 

 

 

利用者がサービスの枠組みを選択できるステージ制を導入

 

 例えば(図1)のように、月額の交通機関利用に加え、利用できる施設サービスを段階的なステージ制とする。ステージに応じて利用できるサービスの幅が拡張されていく構成だ。この施設サービスの利用料への換算は施設のポイントと連携して使用できるようにする方が使い勝手が良いかもしれない。「通勤(交通機関利用)」+「サービス(施設利用)」で自由な組み合わせができるパッケージ型の新たなサブスクモデルとなる。

 利用者目線に徹底した使い勝手の良さを実現することで、サービスは利用者の生活に深く浸透する。提供者を意識させることなく空気や水のようなインフラ的存在となることができるか、これがこれから勝ち残るサービス(as a service) となりうるかを決める。これまでのように決められたシステムの中で枠組みされない、利用者にとってフレキシブルなサービスが支持されるだろう。

 

 

施設サービスステージの構成例

 A:[Basicステージ] 

月額の交通機関利用に加え、施設関連サービスの利用として前号で例を挙げたようなサテライトオフィスや健康チェック、スポーツジムなどのベーシックなものを中心とする。

 

 B:[Silverステージ] 

A に付加する形で段階的に利用可能なサービスの幅を広げていく。高度な健康チェック機能の利用に充てたり、スポーツジムだけでなく、リラクゼーションサービス、託児所、提携カルチャースクールの利用など、施設のサービスと連携したもので構成する。

 

 C:[Goldステージ]  

空港のラウンジのようなプレミアムな施設の利用を付加させたり、6 月号でお伝えした「移動の変化」から2 拠点化が進むとすると、全国各地で利用可能なホテル(サブスク型)の利用を付加させるなど、使い方も色々と設定できると面白い。

 

 

 

利用の仕方も選択の幅を持たせる

 

 さらに施設サービスステージの活用スタイルについても膨らませて考えてみる。(図2)で示したように、定額の中での交通機関利用の割合に応じて、施設サービスステージも追加したり組み合わせたりしながらカスタマイズできる活用スタイルだ。移動が少ない人や移動が減りそうな月には施設利用を充実させる使い方が可能になる。さらに、より施設をたくさん利用したい人にとっては個人負担でサービスステージを追加することで、それぞれのスタイルに合わせて利用の幅を広げることができる。会社にとって福利厚生の強化を目的とするならば、会社負担額を増やしてサービスステージを追加するといった需要もあるだろう。

 在宅勤務が増えれば、施設に求められる機能も変化する。外出の機会が減った今、交通機関利用を施設サービスと連携して幅広く活用できると、仕事の仕方はより自由度が増し、プライベートの時間でも今まで使ったことのなかったサービスを体験してみるといった機会も増やすことができる。施設利用の頻度も、状況に応じて必要な選択ができる柔軟さが求められていく。

 

 

施設サービスステージのカスタマイズ例

 

 

「個」で考え出した生活者とのエンゲージメント獲得

 

 現在、お店での決済に交通系IC カードを使う人も多いだろう。今回の提案のように従来の定期券の形で幅広いサービスが利用できるようになれば、利便性も更に高まる。利用者が増えれば利用可能な場所も広がる。公共サービスや街中のお店とも連携できれば、街と交通機関がゆるやかにつながった新しい社会像(Smart City) が生まれるはずだ。サービス提供者にとっては、利用者ファーストの結果として「なくてはならない存在(= エンゲージメント)」が獲得できる。

 新しい生活スタイルが浸透したことで「移動」について考え直し、地元での活動を中心とした消費が増えた人も多いだろう。改めて生活圏を見つめ直し、ここぞという時は長距離移動をし、その先でも長期滞在ができるような暮らし方も増えてくる。この「移動」ということに対して、より強く個人の価値観が反映されてくるだろう。

 コロナを経験し、自身の生活や行動が社会にどのような影響を与えるかをきちんと考えて行動する生活者が増え始めている。「個」で考え、さらにその消費行動自体にも意味が付加されるなか、商業やサービスとしてはどのようなものが淘汰され、求められていくのか。レゾナンス・ラボでは引き続き研究を続けていきたい。

 

 

文章:伏見 百代

 

 

萌えちゃんねる©SEMNA

萌えちゃんねる Vol.019

外が嫌いなわけじゃない

 目的が無い限りほぼ外出しないインドア派。そんな私が喜んで外に出るのは会いたい人に会うときだ。WEB お茶会やWEB 飲み会など友人と色々やってみたがやっぱり直接会いたい。同じ場所で同じ時間を共に過ごすという体験は特別で、リアル空間でしか得られない気分の高揚がある。どんなにネットが便利になっても、インドア派でも、外に出るきっかけ、わざわざ施設に訪れるきっかけは何かしらあるものだなと思う。

 

 

ポストコロナについて想定できる考察レポート

 

 

 

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