Resonance Lab. レポート 2020/11/24

 

これからのあたりまえ

続々生まれる「これからのあたりまえ」

 

 

 生活者の持つ『価値基準』が装飾やボリュームなどの見た目志向から、成り立ちや社会的価値などを求める本質志向へ変化している。そんな消費者の変化を追いかけるように、ファッションを始めとした各ブランドが相次いで「エシカル」や「サステナビリティ」に対する取り組みを発表している。各分野で急速に進化しているなかから、今回は特に急成長しているリサイクルより環境負荷が少ないとされるリユースの事例についてピックアップし、読み解いていきたい。

 

 

 

[ 事例 1 ]

【 資生堂 / SBAS プロジェクト 】美容業界のリフィルサービスへの参入

 

 

 ㈱資生堂はサステナブルな活動や製品開発を通じて社会価値を創造するプロジェクト「Sustainable Beauty Actions」を始動。生分解性ポリマー製パッケージを採用したリップカラーを11 月1 日に発売。また、旗艦店に美容液の空ボトルを持ち込むと、徹底した衛生管理の下、洗浄・詰め替えを行うサービスを11 月19 日より開始。

 

SBASプロジェクト

SBASプロジェクト特設サイトより

https://international.shiseido.co.jp/sbas-jp.html

 

 

[ 事例 2 ] 

【 ナチュラルローソン × ecostore 】洗剤の量り売りがコンビニで身近に

 

 

 ㈱ローソンによるナチュラルローソンでは、自然由来の原料を使用した洗剤やボディケア用品などを扱う「ecostore」の食器用洗剤、洗濯用洗剤などの量り売りを開始。9月までに3店舗でサービスを展開している。無料のリフィルボトル(サトウキビから作られている)や持参した容器に洗剤を欲しい量だけ入れ、秤に乗せると発行されるバーコードシールをボトルに貼り、セルフレジや通常レジで会計。一貫したセルフスタイルというところもコンビニらしく、気軽で簡単。

 

洗剤の量り売り

写真:筆者撮影による

 

 

[ 事例 3 ]  

【 テラサイクル / Loop 】新たな生活スタイルを作るショッピングプラットフォーム

 

 「捨てるという概念を捨てよう」を理念に掲げる米国リサイクル会社テラサイクル社による新型サービス。オンラインで商品を注文するとバッグに入ってガラスやステンレスなどの容器に詰められた商品が届き、使い終わった容器はそのままバッグに詰め、集荷回収してもらう。物流・倉庫・容器の洗浄などはその国の既存企業に委託するプラットフォーム型のサービス。商品も各国で賛同パートナーを集い、日常的に消費されているものを扱う。現時点での日本の賛同企業はキッコーマン、ロッテ、イオン、サントリー、資生堂、P&G ジャパンなどの十数社。2019 年にアメリカ、フランスで、2020 年からは東京の他4か国でも実証実験を開始する予定。

 

テラサイクル/Loop

Loop 公式サイトより

https://loopjapan.jp/

 

 

 

選択の意志が価値基準となる

 

 これまでの化粧品関連の取り組みといえば、衛生面の不安や薬事規制などからオーガニック成分や環境負荷の少ない使い捨て容器ばかりが目立っていた印象であったが、[事例 1]の㈱資生堂の挑戦のような業界大手企業による美容液容器のリユースサービスの始動は注目だ。予約や所要時間などのハードルは少しありそうだが、この流れに続いていく他メーカーの取り組みにも期待したい。

 [事例 2]や[事例 3]で示したコンビニ業態や宅配サービスを使った日用品での取り組みは、どこまで日常の生活の中に浸透していけるかが重要となる。利便性の高さやこだわりを感じるパッケージで期待値が上がる分、価格や手に入るスピード感などのリアルな部分で、無理なく日常生活に浸透できるかに注目したい。

 3 つの事例から見ても、生活者に近しいものほど時代の流れを汲んだサービスへの対応速度は速い。これらのような新型サービスが成功し広がっていけば、個人の生活スタイルにも、ひいてはビジネスにおいても大きな変革が起こるはずだ。

 

 

 「エシカル」や「サステナビリティ」と聞くと、世界中の環境問題や貧困問題などのように自分一人の手ではどうにも出来ない大きな課題だと感じてしまう。しかし実はここで挙げた事例のように、日々消費し生活を送るなかで「何を選択するか」ということなのかもしれない。例えば筆者であれば、原料由来が不明で過剰な洗浄力の洗剤をそのまま自宅の排水溝から流すことに疑問を感じるので、少し遠くても信頼感のあるものを量り売りで購入できるコンビニを選びたい。このような選択の積み重ねが『価値基準』となり、それはこれまでも当たり前に起こってきた変化のひとつだ。スマートフォンが当たり前の存在となったように、単なるファッショントレンドで終わらせず、社会の新たな常識として定着させていくことが本筋だ。レゾナンス・ラボでも引き続き考察し、掘り下げていきたい。

 

 

文章:伏見 百代

 

 

萌えちゃんねる©SEMNA

萌えちゃんねる Vol.020

何をエシカルと思うか

 まったく同じクオリティと値段の商品が並んでいたら、よりエシカルと感じるものを選ぶと思う。でも、値段が倍違ったら、性能が半分だったら、手に入れるのが大変だったら私はエシカルを選ばない。エシカルを謳う商品が本当にエシカルかどうかについてかなり疑い深いので、なにかを犠牲にしてまで買いたいと思うエシカル商品にまだ出会ったことが無い。例えば、商品がどんなに自然環境に優しく作られていても、それを作る労働環境が劣悪な会社の商品はエシカルだとは思えない。何をエシカルと思うか、エシカルをどれくらい大切にしたいかは政治や宗教のようにデリケートで、内心で思っているところと、対外的なエシカル観では温度が違う。例えば、内心では直感的に感じる「雰囲気が偽善っぽくて嫌だ」というだけで自身のエシカル観とは合わないと判断することもある。一方で対外的には、活動や商品の説明の辻褄があっているか、非科学的なことを主張していないかなどの基準でエシカルを判断し、そこの基準が合えば十分かなと思う。どちらの基準も自身の価値観であり、誰の為にエシカルを選択するのかでどのエシカルを選択するかは変わってくる。

 

 

ポストコロナについて想定できる考察レポート

 

 

 

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