Resonance Lab. レポート 2021/02/22

 

明日のターゲット

身近なZ世代のリアルに迫る ③お買い物編

 

 

 本号は3回に亘ってお伝えしている『身近なZ世代のリアルに迫る』シリーズの最終回となる。今回は〈お買い物編〉として、日常の消費行動に関するアンケート結果を元に考察していく。ソーシャルネイティブと呼ばれるZ世代がモノやサービスを選ぶなかで何を重視しているのか。そのリアルな感覚を読み解き、『身近なZ世代』を探っていきたい。

頻度の高い買い物はやはりコスト重視?

 食品や消耗品(生活雑貨)を買うときに重視することのアンケートでは共通して1位・2位がコスト に関する回答で、合計では共に過半数となった。3位以下はそれぞれ品質に関すること、次いで口コミが7%台と、ほぼ同等の結果となった。品質に関してはこだわりがあるもののコスト重視が大多数と、特に世代的な特徴は現れていないようだ。

身嗜み品は回答が分かれ多様な結果に

 一方で衣服・化粧品を買うときに重視することのアンケートでは、コスト重視といった項目はどちらも3位以下で15%程度となった。衣服に関しては1位と4位がコストに関する回答、2位と3位が品質や嗜好性に関する回答で、それぞれの割合の差は少ないことから、コスト重視派と良いものを長く使う派がどちらも混在しているようだ。さらに衣服を「ブランドで選ぶ」という回答は5位以下の6%となり、その回答内容も「デザイン・価格・品質・ブランド」といったように他項目と同列で上げられていることから、衣服を選ぶ際にブランド名は重視していないといえるだろう。

また、化粧品に関しては『口コミ/レビュー/評価』が1位となり、「レビューを見てからでないと絶対に買わない」「SNSで専門としている人のおすすめを買う」「SNSで人気のものはテスターで試す」といった回答が2位の『自分に合うと感じるもの』を上回った点に注目したい。

高いサブスク利用率、その選択にアイデンティティ

サブスクサービスの利用率については「無し」と回答した人はわずか4.4%で大多数が複数のサービスを利用していた。中でも音楽・映像系のサービスがほとんどを占め、上位5位以外にも7種類のサービスが上がった。1位の『Amazon Prime』は音楽・映像だけでなく「配送など会員サービスと併用」「コスパがいい」といった回答や、4位の『Spotify』では「自分の好きなジャンルの作品が豊富」などの回答が上がり、それぞれの違いを把握し比較したうえでコストとのバランスを考える選び方が多いようだ。

 その他少数派の回答としては、自宅ポストに生花が届く『FLOWER』、ゲームサブスクサービス『Apple Arcade』、ファッションレンタル『メチャカリ』、スポーツ専門動画配信サービス『DAZN』などの利用が上げられた。

※アンケートは入社1・2年目の社員(1994年~1998年生まれ)対象(回答者数40名)、自由記述より回答を集計

消費行動から見える意志

  今回のアンケート〈お買い物編〉では、まず衣服の購入から見えてくる価値観に注目したい。ひと月当たりの自己投資額の質問で1位であった被服費(前々号〈①入り口編〉Q5 参照)の中で『コスト重視派』と、ブランドやコストに関係なく『良いものを長く使う派』がほぼ同等に混在し、その中には社会的な観点から「長く使う」という選択をしている層も含まれている(前号〈②エシカル編〉Q4 参照)。これはファストファッション全盛期を歩んだゆとり世代の筆者からすると、当時徐々に広がっているように感じていた多様性が精度を増し、それが自身を表現するものとして衣服の購入基準へ現れたと感じられる。

 さらに今回のアンケート全編を通してTV・雑誌を見て購入するという回答は無い。化粧品の購入で『口コミ/レビュー/評価』がトップに位置しているように、「よりユーザーの生の声に近い」と感じられる情報を活用している。こちらも「なんとなくマスメディアは信じられない」という感覚が消費行動に現れた結果といえる

『身近なZ世代のリアル』とは

 3回に亘ってお伝えした『身近なZ世代のリアルに迫る』シリーズを通して、『身近なZ世代』は何においてもまずは自発的に情報を取り、それを自身の考え方やライフスタイルと擦り合わせて判断しているように感じる。それはサブスクサービスを選ぶ際の回答にも現れており、色々なサービスを調べて試してみたうえで最終的に継続して使うものを判断している。「頑張りすぎない・さとり世代」という世代特徴は実は「重要だと判断したものに特化し他は頑張りすぎない」ということなのではないか。自分自身で試した触感や選んだ情報源を信頼し、各々の基準で何を重視するのかは様々であり、そこには意志を感じる。世の中やメディアで言われているような大袈裟な多様性だけでなく、個人単位に裾野を広げた多様性を口に出さなくても理解し合っているのが『身近なZ世代』なのだろう。

文章:伏見 百代

 

 

かとマpicks

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ピュアな価値観

 

常に広く薄く情報の収集が可能な社会環境で育っているため、ジブンにとっての信頼情報筋を探し続け、常にアップデートしているのがZ世代の標準行動だ。その結果、更新レベルの低いマスメディアへの期待や信頼度はかなり低い。「Tv情報なんてそんなもんでしょ。」

<さとり>とは、まさにその一面を切り取ってつけられた名前なのだろう。そこで思ったのだが、Z世代は、さとりの境地ですべてを達観しているのではなく、むしろ現代における“ピュアな価値観”をもって行動しているだけなのではないだろうか。“ピュアな価値観”とは、残酷な社会からジブンの身心を守る防御本能のこと。

そして、現代における防御の標準装備とは、

①ジブン信頼筋からの承認がとれているかどうかの確認行動

②(膨大な選択肢があるんだから)全部に頑張ってたら身がもたねえ

③他人の装備を気にしても仕方ねえ

大量の均一情報を繰り返し送るマスメディアに頼ってきた単一種時代に育ち、いかにそこから外し別種となるかを思考し、行動することで身につけた私の錆びついた防御装備。多様種が当たり前になったあなたたちにいったいどう見えているのだろうか。

 

 

明日のターゲットについての考察レポート

 

 

 

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