CASE 03 リノベーション&
バリューアップ

TOKYOシェアオフィス墨田
墨田区、東京 2022

提供サービス

  • コンセプト設計
  • 内装デザイン
  • サイン・グラフィック
  • 家具・造作計画
  • アップサイクル
  • 内装デザイン
  • サイン・グラフィック
  • ゼロウエイスト施工
  • 廃棄物リサイクル率の算出レポートの策定

廃材を活かして紡ぐ
未来にやさしい
リノベーションプロジェクト

新しい働き方を実践するために東京都がモデル的に開設したシェアオフィス。すべての工程を「未来にやさしいこと」に重点を置いて考え、築45年の繊維試験場をシェアオフィスにリノベーションしました。新しく作り替えるのではなく、今あるものを可能な限り修繕して残し、廃棄物を極力出さずに老朽施設を有効活用することに挑戦。大胆に廃棄物を意匠に転換し、徹底的にデザイン性にこだわることで、リノベーションと資源再活用の可能性を広げました。

POINT

既存素材を活かしながら
新たに生まれ変わった空間

施設の用途変更に伴い解体した部材や、製材時に発生する端材をできる限り再利用・アップサイクルし、リノベーションを実施。空調や電気設備の更新により撤去した金属製の天井材は、カウンターテーブルやペンダント照明へと再デザインし、解体した壁材もカウンターテーブルに再生しました。さらに、丸太製材時に生じる半月型の端材を、カウンターの仕上げ材や照明としてアップサイクル。建物がこれまで培ってきた記憶を継承して活かしながらも、明るく開放的な空間へと生まれ変わらせました。

明るく開放的なエントランス
壁材を用いたテーブル
金属製の天井材使ったテーブル、ペンダント照明
働き方の変化に応じて自由に構成・拡張できる窓際エリア

木の皮とおが屑を活かした
表情豊かな新素材

コンテンポラリースタジオwe+ inc.と共同で、廃棄素材の新たな可能性を考察するリサーチプロジェクトを実施。家具の主要材料として使用した東京の地場木材『多摩産材』の製材時に大量に生じた、木の皮とおが屑を利用し、オリジナルマテリアルを製作しました。表情豊かなマーブル模様の天板を創り上げ、カウンターやランプシェードとして使用。素材を分解・再構築することで新たな魅力を引き出して再利用することに挑戦しました。

素材の持つ魅力を別の形で引き出す
ビッグテーブルの天板
表情豊かな天板
照明器具のシェードとして使用

刻まれた記憶や年月を魅せ、
その場がまとっていた空気を
新たな形で継承

壁や床は、部分的な化粧直しや修繕を行い、可能な限り再利用しています。経年劣化した床の塩ビタイルは張り替えずに剥がして磨き、修繕とコーティングを施すことで、長い年月で生まれた模様をそのまま残し、床から建物の歴史を感じられるようにしました。また、剥がした塩ビタイルはサーマルリサイクルが難しいため、細かく裁断してバインダーと混ぜ合わせ、新たな素材としてプランターボックスや可動パネルのウエイトに再デザインしています。

壁・床の修繕を行った廊下
経年劣化した床をそのまま見せる
塩ビタイルで創り上げたプランターボックス
塩ビタイルで創り上げたパネルウエイト

IMPACT

資源を無駄にしない
リノベーションで実現する
循環型空間づくり

SEMBAでは、ゼロウエイストな空間づくりを目指し、施工・解体現場での廃棄物の分別、混合廃棄物の削減に取り組んでいます。本リノベーションでも分別することを考えて慎重に解体し、現場で細かく分別することで、産業廃棄物のリサイクル率95.6%を達成しました。新たに使用する素材も、資源循環に配慮して選定し、海洋廃棄物のプラスチックから生まれたカーテンや、廃棄衣料で製作したクッションなどを採用。また、学校の図工椅子や、廃棄ドラム缶のアップサイクルなど、不要となったものを回収して活用しています。

学校で余った図工椅子を工房チェアとして使用
廃棄衣料のクッション
リサイクルが難しいドラム缶をプランターカウンターに
海洋廃棄物から生まれたカーテン

AFTERWORD

建物の記憶を残しつつ、
引き算でよみがえった空間

現状の用途や建築基準にそぐわない部分は丁寧に取り除きながら、新しい仕上げは最小限にとどめ、『引き算』の補修で空間を整えています。老朽化した施設にサステナビリティと意匠性を両立させたデザインを施すことで、建築本来の姿を取り戻すとともに、明るく開放的な空間を創出。空間に刻まれた記憶や、その場所がまとっていた空気感を新たな形で継承し続けることを目指しました。

撮影:Naoki MIYASHITA

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