YAMAHA MOTOR
Regenerative Lab
横浜市、神奈川 2024
提供サービス
- 視察ツアー
- コンセプト設計
- カルチャー醸成設計
- 内装設計
- 家具・造作計画
- アップサイクル・
リユース計画 - 制作・施工
- アートワーク企画・
展示・制作 - ロゴデザイン・サイン制作
環境再生に挑む想いを形に
共に考え、共に創り、
未来を拓く空間
社会課題の複雑化に伴い、一社だけで解決することが困難になり、企業や個人が垣根を越えて集まり、知見を持ち寄り、新たな価値を創造する共創空間の必要性が高まっています。山、川、海など豊かな自然環境の中で楽しむ製品をつくるヤマハ発動機も、共想空間Regenerative Labを開設。事業活動が環境に与える影響を見つめ直し、「環境を守る」から一歩踏み込んだ「環境をより良い状態へと再生する=リジェネラティブ」を目指すヤマハ発動機の想いや目指す姿を空間で表現しました。
POINT
自然資本を再生する、
ストーリー溢れる空間
SEMBAは、ものづくりが自然環境に与える影響を見つめ直すためのデザインアプローチを実施。什器・家具にストーリーを持たせ、同社の想いや歴史をアイコニックに表現することに挑戦しました。ヤマハ発動機の製品や、工場で使用されなくなっていたもの、製造過程で発生した廃棄物をさまざまな家具・什器へと再生。「自然資本の再生」を考えるきっかけをちりばめた空間を創出し、その場で会話や発想が生まれ、ビジネスの新たな端緒となることを目指しました。
樹脂で固めて成形した天板
歴史継承と未来への意思を形にする
FRPプール再生のデザイン
ボートハンドル、運搬用台車など様々なものを再生する中で、特にリサイクルが難しいFRP(強化繊維プラスチック)に着目。役目を終えたFRP製のプール活用し、リサイクルや廃棄問題に真摯に向き合うヤマハ発動機の姿勢を視覚的に表現しました。誰もが目にしたことのある“ブルーのライン”を意匠に活かし、テーブルや展示什器を制作。約半世紀にわたるFRP製プールづくりの歴史に幕を下ろしたヤマハ発動機にとって、この取り組みは、積み重ねてきた歴史を繋ぎ、未来への意思を象徴する存在となっています。
展示什器壁面はベンチに
固定観念をほどく
廃材観察から生まれる新たな視点
「観察から未来を駆動する」をコンセプトに、共創空間の最初の企画展示をwe+ inc.と共同で制作。製品の製造過程で生まれる端材や廃材に目を向け、偶然が形づくる独特の造形や、素材が持つ個性を引き出したアートワークへと再構築しました。これまで“ごみ”として見過ごしてきたものを改めてじっくりと観察することで、廃棄物に対する固定観念に気づき、新たな視点を得ることを目指しています。空間の入口中央に設置されたこの作品は、来訪者をリジェネラティブへと導入する役割を果たします。
目を引く展示什器
IMPACT
一貫した想いのもとで
活動に寄り添って形を変える
共創の場
この空間では、新規事業創出や社会課題解決に向け、実験的かつ創造的な取り組みが日々行われています。ワークショップやセミナー、コワーキング、展示、交流会など多様な活動が実施・共存できるよう、壁で仕切らず各機能を緩やかにゾーニングしました。家具はすべて可動式とし、利用シーンに応じて大胆なレイアウト変更が可能です。来訪者からは「ここまで一貫したコンセプトでデザインされた共創空間は初めて」との声も多く、ヤマハ発動機の強い意志を体感できる場となっています。
AFTERWORD
再生の思想をプロセスから実装した
共創空間の構築
本プロジェクトでは、完成した空間だけでなく、つくる過程にも“再生”の思想を取り入れています。廃材の再利用にとどまらず、素材選定から制作までをヤマハ発動機の社員とともに進め、社員一人ひとりが環境問題と向き合う契機ともなりました。アップサイクルした素材は単なる装飾ではなく、ヤマハ発動機の歴史や想いを語る要素として空間全体に展開。どの場所にいても発見と学びが生まれる構成で、環境配慮を超えてブランドの価値と未来への姿勢を体感できる空間を実現しています。
撮影:Katsuhiro Aoki