鳥栖アウトレットと佐賀大学の学生らによるリサイクル素材を使ったタイルアートプランターが完成
設置の様子を4月19日に学生と社員らが笑顔で見学
国立大学法人 佐賀大学(本部所在地:佐賀県佐賀市、以下「佐賀大学」)、株式会社船場(所在地:東京都港区、以下「船場」)および鳥栖プレミアム・アウトレット(所在地:佐賀県鳥栖市、運営:三菱地所・サイモン株式会社)は、産学連携プロジェクトとして、佐賀大学 芸術地域デザイン学部の学生12名とタイルアートプランター16点を共同制作し、アウトレット場内へ設置しました。また今月4月19日(土)にはプロジェクトの完成お披露目の場として、学生達による見学会が行われました。


本プロジェクトは2024年9月30日(月)よりスタート。佐賀大学、船場、鳥栖プレミアム・アウトレットの3者で、意見交換会(2024年11月)や、学生達のデザイン提案プレゼンテーション(2025年1月)、ワークショップ(3月)など約半年間に及ぶ制作過程を経て、学生達がデザインしたタイルアートプランター16点を完成させました。
「未来に伝えたい、佐賀らしさ」というデザインテーマのもと、採用されたデザインは、鳥栖の由来である「鳥の巣」や、「佐賀牛」「さがほのか」「The SAGA 認定酒」といった地元名産品、風光明媚な「浜野浦の棚田」や県を代表するイベント「バルーンフェスタ」、また、佐賀市内に広がる「クリーク」をモチーフにしたものや、佐賀県の形を”さが”すコンセプトのデザインなど、学生一人一人のフレッシュで多角的な視点で、「佐賀」や「鳥栖」の魅力や地域への想いを存分に表現しました。作品デザインの詳細は、作品に添えられたキャプションや施設HP(後日公開予定)からも確認が可能です。さらに、プランターの素材の一部には、リサイクルタイルや、廃棄されてしまう余剰タイルをアップサイクルした素材等を使用し、長く残り続けるアートの表現にエシカルな要素も取り入れています。
プロジェクトの最終回となった4月19日(土)は、鳥栖プレミアム・アウトレットに設置されたプランターが晴天のもとでお披露目され、学生達は自身が手掛けたデザインのプランターと一緒に笑顔で写真撮影したり、来場客がくつろいでいる空間に自身の作品が溶け込んでいる様子を見守りながら社員と共に感想を言い合うなど、半年間のプロジェクトを振り返りながら楽しみました。
今後もこのような産学連携プロジェクトや各団体との連携、そして地域の魅力発信を通じて、さらなる地域貢献と活性化に取り組んで参ります。
<プロジェクト概要>
■デザインに取り入れられた「未来に伝えたい、佐賀らしさ」モチーフ一覧(順不同)
鳥栖の由来である「鳥の巣」/浜野浦の棚田/佐賀牛/「The SAGA 認定酒」/佐賀県の形/鳥栖市の市の鳥である「メジロ」/鳥栖市の市の木である「モチノキ」/佐賀インターナショナルバルーンフェスタ/佐賀の名産である「レンコン」/四つ葉のクローバー型構造である鳥栖ジャンクション/有明海に生息する「ワラスボ」/県内のサイクリングロード/いちご「さがほのか」/佐賀のクリーク/佐賀県唐津市の名所「七ツ釜」 など
■タイルアートプランター設置場所
・アウトレット内エントランスエリア
・アウトレット内フードコート前 テラス席エリア(インフォメーションセンター側)
※ 本アート設置エリア全体のデザインについてはこちらをご覧ください。
■本プロジェクト全体・実施背景について
プレスリリースをご参照ください。(2024年10月9日配信)
■完成までの制作のプロセス(抜粋)
▼2025年1月:学生達による最終プレゼンテーション
学生12名より30パターンを越えるデザインが発表され、その中から厳選した16点が選ばれました。





▼タイル貼りなどを実際に行ったワークショップ(3月開催)
タイル制作は船場にて実施。一部は学生達と共にワークショップ形式で作業を行い、想いを込めました。



■4月19日(土)見学会当日の様子と、作品例紹介




【作品例紹介】
●作品名:「未来への希望」(佐賀大学 芸術地域デザイン学部 院生 岩本さん)
・モチーフ:鳥栖の由来である「鳥の巣」
・デザイン紹介:「鳥栖」の名前の由来は「鳥の巣」から来ています。鳥の巣は子育てをする場であることから「繋栄」や「未来への希望」という意味があり、未来へ広がるイメージと、カチガラス(かささぎ)が卵から成長して外の世界へ巣立つイメージを掛け合わせたデザインとしました。佐賀と鳥栖の未来を思い描き、人が育つ環境を大切にしたいという思いを込めています。


●作品名:「浜野浦の棚田」(佐賀大学 芸術地域デザイン学部 4年 高原さん)
・モチーフ:佐賀県玄海町にある「浜野浦の棚田」
・デザイン紹介:大学生になって自転車で行ける範囲だけではなく、電車や車でしか行けない少し遠い場所にも行動範囲が広がりました。また、自身の実家が農家であることもあって、親近感がある浜野浦の棚田をモチーフにしました。この棚田は現在も美しい景観が保たれていますが、少子高齢化や過疎化の影響で、将来その姿を維持できるかはわかりません。いつか消えてしまうかもしれない風景を、私たちの手で守り、未来へ伝えていきたい。そんな思いを込めています。


●作品名:「道」(佐賀大学 芸術地域デザイン学部 4年 花立さん)
・モチーフ:佐賀のクリーク
・デザイン紹介:佐賀市に広がる無数のクリーク(小川)をモチーフにし、その風景を表現しました。佐賀市の街並みは、建物とクリークが美しく調和し、人々の生活に根付いており、県が誇る特色のひとつです。自身も佐賀に引っ越してきて初めて知り、次第に興味を持ちました。観光地としてはスポットが当たりにくい特色ですが、佐賀に住んでいる方にとっては馴染みがあり、県外の方にとってもこの土地をより深く知っていただくきっかけになりそうな佐賀の魅力の一つだと考え、後世に残すべき「佐賀らしさ」として表現しました。


■プロジェクトを終えて
<佐賀大学学生 コメント>
・プランターを見たお客さんが「わっ!」「綺麗!」と言ってくれているのを目の前で見て、本当に嬉しかったです。自身がデザインしたプランターがお客さんのいる空間にあることが不思議な感覚でしたが、デザインが形になることの喜びを初めて実感しました。
・このプロジェクトを通して、今までも、そしてこれから先もないであろう貴重な経験が学生の間にできたことを誇りに思います。色んな人達に作品を「見て!」とお薦めしたい気持ちでいっぱいです。
・半年間のなかで沢山時間をかけ、アイディアの考案、デザイン作業、プレゼンテーションなど様々取り組みました。上手くデザインできず挫折を感じることもありましたが、先輩達のサポートもあって最後までやり遂げることができました。プランターが今後ずっとアウトレットに置かれ、お客さんに見られると思うと楽しい気持ちでいっぱいです。
・三菱地所・サイモン㈱や㈱船場の企業の方々と会話しながら進められたのが良かったです。適宜フィードバックをもらえたことで、スキルアップでき、成長を実感できました。ここで学んだことをより自分で解釈し、自分のものにしていきたいです。
<鳥栖プレミアム・アウトレット 東(ひがし)支配人 コメント>
私は佐賀に生まれ、佐賀大学を卒業して随分経ちますが、同郷の学生さんたちが一生懸命目の前のプロジェクトに取り組む姿勢を見て、心を打たれました。「未来に伝えたい、佐賀らしさ」というテーマを設定した背景には、鳥栖プレミアム・アウトレットが昨年で開業20周年を迎え、これから先の20年を考えた時に、改めて「地域に根差した施設であること」を大事にしたいと考えた我々の想いがあります。このテーマを元に、学生さん達が柔らかい発想力で数多くのアイディアを出していただき、我々もハッと気づかされるものがありました。そうやってプロセスを積み重ねた結果、1つ1つの作品全てが、佐賀らしい想いが込められたものに仕上がりました。当施設には地元の方のみならず県外の方も大勢来場されますので、ショッピングの合間にふとカラフルなプランターに目に止め、ご興味を持っていただくことを願っています。本プロジェクトが少しでも佐賀や鳥栖の魅力発信に繋がれば幸いです。
<参考情報>
■タイルアートプランター使用素材
タイルアートプランターの素材には、環境配慮型の素材等のサステナビリティを意識したリサイクル素材を活用しました。セラミックやタイルを使った装飾は、彩り豊かで表現の幅が広く、佐賀らしさや地域の魅力を表現しながら、スパニッシュ・コロニアルをイメージした鳥栖プレミアム・アウトレットのさわやかで明るい空間に調和させています。
①リサイクルタイル
釉薬の原料に、都市ゴミ由来の「溶融スラグ」(ごみ焼却炉の焼却灰を加熱・冷却して出来るガラス状の物質)を有効活用したリサイクルタイルです。
②余剰タイル建材
アジア・ヨーロッパ各国で、トレンドの変化に伴い廃棄されてしまうタイルを利活用し、グローバルな視点で世界の建材廃棄処分に伴うCo2削減に貢献します。
鳥栖プレミアム・アウトレットの場内にもスパニッシュ・コロニアルのタイルデザインが使用されています。


■法人・企業概要
【国立大学法人 佐賀大学 概要】

1949年に設立された国立大学で、佐賀市(本庄、鍋島)および有田町にキャンパスがあります。2016年に創設された芸術地域デザイン学部のキャッチフレーズは、「芸術で地域を拓き、芸術で世界を拓く」です。本学部では、人やモノを芸術や芸術的な手法によってつなぎ、地域の活性化や国際化などに貢献する人材を育成しています。
・WEBサイト:https://www.saga-u.ac.jp/
【鳥栖プレミアム・アウトレット 施設概要】

国内外の著名ブランド約 170 店舗が揃う、九州を代表するアウトレットモールです。アメリカ・カリフォルニア州南部の街並みをイメージしたショッピングリゾートで、2024年で開業20周年を迎えました。
・WEBサイト:https://www.premiumoutlets.co.jp/tosu/