―大阪・関西万博の記憶を未来へ―ルクセンブルクパビリオンの基礎コンクリートブロックをリユース
株式会社船場(本社:東京都港区/社⻑:小田切 潤)は、大阪・関西万博のルクセンブルクパビリオンの企画・実施機関である2025 ⼤阪万博ルクセンブルク経済利益団体(GIE)と株式会社ネスタリゾート神戸とともに、同パビリオンで使用された基礎コンクリートブロックの日本国内でのリユースに取り組んでいます。この度、当社のプロデュースにより、基礎コンクリートブロックをネスタリゾート神戸園内の土砂流出を防止するための擁壁として利活用することが決定しました。同ブロックは、単なる擁壁としての機能に留まらず、ミューラルアーティスト・KAC(ケエシ)氏によるミューラルアート*が施され、万博の記憶を未来へとつなぐ象徴的なモニュメントとして生まれ変わります。モニュメントの大きさは全長約150メートル(予定)、高さ1.6メートルとなり、ネスタリゾート神戸の第二駐車場に2026年5月に完成予定です。さらに、ルクセンブルクパビリオンの外装パネルおよびベルトもアップサイクルし、ストリートファニチャーとして生まれ変わります。
*建物や公共施設の壁面、シャッターなどに直接描かれる大型アート

■ 前例の少ない基礎コンクリートブロックのリユースを実現
ルクセンブルクパビリオンは、「サーキュラー・バイ・デザイン(循環経済の原則に基づき、解体・再利用を前提として設計する考え方)」を採用し、2025年大阪・関西万博の会期終了後も建築主要材も含めて可能な限り多くの部材を日本国内で再利用できるよう、当初から構想・設計されたパビリオンです。循環経済は大阪・関西万博の核心的テーマであり、ルクセンブルクパビリオンは徹底したリユースの取り組みが評価され、BIE(国際博覧会事務局)より「サステナビリティ賞」を贈られています。
船場は、万博終了後の建築部材の国内リユースの可能性を検証し、リユースアイデアの提案、関係各所との調整を行いました。その結果、基礎コンクリートブロックと一部の外装パネル・ベルトをネスタリゾート神戸にてリユースすることが決定しました。
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■万博のレガシーを未来に繋ぐモニュメント
日本国内において、使用済みの基礎コンクリートブロックは、破砕処理を行い再生骨材として活用するダウンサイクルが一般的です。一方で、この方法には、加工費用に加え、破砕や運搬時に発生するCO₂排出、粉塵の発生、リサイクル効率の限界など、複数の課題があります。本プロジェクトでは、万博会場から移動距離の少ないネスタリゾート神戸に譲渡しリユースすることで、CO2削減など環境や人への負荷軽減が見込めます。ルクセンブルクパビリオンで使用された226個(約542トン)の基礎コンクリートブロックを掘り起こし、使用可能なものを選定し、ミューラルアートとアップサイクルファニチャーとして再利用します。
ミューラルアートを手がけるのは、公共空間での表現を得意とするミューラルアーティスト・KAC(ケエシ)氏です。本プロジェクトでは、基礎コンクリートブロックの壁を単なる擁壁としてではなく、ネスタリゾート神戸に新たな景観価値をもたらす存在へと転換することを目指し、強い視認性と親しみやすさ、そして壁面全体をひとつの風景として成立させる表現力を重視しました。KAC氏は、壁に残るひび割れなどの痕跡に宿る時間や記憶を読み取り、「目」をモチーフに言葉にできない感情を描き出す表現を特徴としています。ルクセンブルクパビリオンを支えてきた基礎コンクリートブロックを“記憶を宿す素材”として再解釈し、新たな価値へと再生させたいという船場の思いと、その表現が重なったことから、本プロジェクトの実現に至りました。
今回制作するモニュメントは、ルクセンブルクパビリオンのコンセプト「Doki Doki」を受け継ぎ、そのレガシーをネスタリゾート神戸へとつないでいくものです。かつて万博を支えたコンクリートブロックが、この地で新たなドキドキを受け取りながら、人々の時間とともに在り続け、見る人やその時の気持ちによって異なる表情を見せる存在となります。
<アーティストプロフィール:KAC(ケエシ)>
KACは1988年広島県生まれ。10代の頃、広島の街でグラフィティーに出会い衝撃を受けアーティスト活動を始める。キャラクターを得意とし、キレのあるスプレー缶コントロールと閃めきから勢い良く生まれるキャラクターは奇想天外な世界観を持って作品に現れる。近年ではミューラル(壁画)のほか、アートピース制作、様々なアーティスト、ブランドへのアートワーク提供など国内外問わず多方面に表現領域を広げ続けている。
Instagram:kac_one
<KAC氏コメント>
ルクセンブルクが掲げる循環の思想のように、パビリオンを支えていたコンクリートが場所を変え、ネスタリゾート神戸で生き続けていく。その流れに強く惹かれました。「Doki Doki」という鼓動のテーマに対して、地中にあったものが地上に現れる瞬間そのものが、ひとつの“脈動”だと感じています。見えなかった時間や記憶に触れながら、新たな風景と感情が立ち上がるような壁を描きたいと考えています。
■大阪・関西万博におけるルクセンブルク大公国パビリオンについて
ルクセンブルク大公国は、「Doki Doki –ときめくルクセンブルク(Doki Doki – The Luxembourg Heartbeat)」というテーマのもと、敷地面積1750㎡、総面積1120㎡の中規模自前建設パビリオンで大阪・関西万博に出展しました。持続可能性と循環型社会のビジョンを共有し、来場者の鼓動が「ドキドキ」と脈打つような体験を提供するパビリオンは、会期中に述べ37万8千人の来場者を迎えました。パビリオン設計を手掛けたのはルクセンブルクの建築事務所STDM及び空間デザイナーjangled nerves。膜屋根を持つ鉄骨構造のパビリオンは循環経済の原則に従って設計されており、万博閉幕後に可能な限りパビリオン部材の再利用を目指すという目標を掲げていました。
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