FIND Design Fair Asia
アジア最大級のインテリア・デザイン展示会

2024.02.28

アジア最大級のインテリア・デザイン展示会「FIND Design Fair Asia」に出展。海外展示会への初めての挑戦から生まれた拠点間連携の成果と今後の展望

船場は2023年9月、シンガポールで開催されたアジア最大級のインテリア・デザイン展示会「FIND Design Fair Asia」で海外の展示会に初めて出展。居酒屋を模した個性的なブースで船場の事業内容や強みをPRしました。
今回の展示会では、シンガポール船場の現地スタッフに加え、本社各部署からプロジェクト参加スタッフを募り、さらにはベトナム船場のスタッフも交えた3拠点・12名でチームを構成。これまで培ってきた「にぎわいづくり」の知見をブースのデザインに活かしながら、コミュニケーションを生み出す場を創造しました。イベント当時シンガポール船場に所属していた3名と、日本や他国から実際に現地に赴いた4名のスタッフに、その取り組みを振り返ってもらいました。

船場は2023年9月、シンガポールで開催されたアジア最大級のインテリア・デザイン展示会「FIND Design Fair Asia」で海外の展示会に初めて出展。居酒屋を模した個性的なブースで船場の事業内容や強みをPRしました。
今回の展示会では、シンガポール船場の現地スタッフに加え、本社各部署からプロジェクト参加スタッフを募り、さらにはベトナム船場のスタッフも交えた3拠点・12名でチームを構成。これまで培ってきた「にぎわいづくり」の知見をブースのデザインに活かしながら、コミュニケーションを生み出す場を創造しました。イベント当時シンガポールSEMBAに所属していた3名と、日本や他国から実際に現地に赴いた4名のスタッフに、その取り組みを振り返ってもらいました。


Project Member / プロジェクトメンバー

  • 栗田圭一郎

    栗田圭一郎

    シンガポール船場

  • 杭岡研二

    杭岡研二

    シンガポール船場

  • 椎葉泰志

    椎葉泰志

    シンガポール船場

  • 小戸田妃瞳

    小戸田妃瞳

    WEST事業本部
    関西設計第1ディビジョン

  • 杉田美穂

    杉田美穂

    CREATOR事業本部
    プロデュースディビジョン

  • 上野大樹

    上野大樹

    EAST事業本部
    企画開発ディビジョン

  • 山元匠真

    山元匠真

    ベトナム船場

※ 記載内容は2023年9月時点のものとなります

ローカルにどう事業を広げていくか、その糸口に

――「FIND」への出展は船場にとって初めての海外での展示会出展となりました。どのような背景や思いで出展に至ったのでしょうか?

杭岡 あるサプライヤー様から招待状をいただき、2022年の「FIND」をシンガポールのデザインチームで見に行ったのがきっかけです。

椎葉 これほど大きなイベントがシンガポールにあるんだと最初は驚きました。と同時に、ここにうちのブースを出したら面白いのではないかと思いました。

栗田 これまで日系企業の海外進出サポート業務の割合が大きかったため、ローカルにどう事業を広げていくか、大きな課題を感じていた時期でもあったので、その糸口になればという思いもありましたね。

▲伊勢丹スコッツ店

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杭岡 海外法人と本社の連携には課題を感じていた部分もあり、自分たちと本社をどう繋げていくべきか模索していました。そんななか、中期経営計画においてアジア圏での海外基盤を整え業務の連携を推進する「SEMBA One Asia」というビジョンが生まれたことで、いろいろな部署が交わりやすくなったことも、きっかけとして大きかったと思います。

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あまりに手探りで、登るべき山の高さがわからなかった

――本社では立候補制でプロジェクトに携わりたい社員を募り、選ばれたスタッフは従来の業務をこなしながら「複業」として海外出展の準備に参加しました。現地同行までされたみなさんはなぜ参加しようと思ったのでしょうか

杉田 当社は、海外の案件において海外支店だけでなく本社と連携して業務を推進する体制があります。そのため、普段から海外の仕事に関わることがありましたが、海外での船場の知名度は日本に比べて低い実感がありました。私自身、普段から海外の案件に関わりたいと言ってきたので、応募しないという選択肢はありませんでした。

▲国内外の拠点が連携し業務にあたったAEON MALL Mean Chey

上野 普段私は営業職として、エシカルデザインについて詳しくない国内のお客様に当社の取り組みを説明することが多いのですが、自分の力がどこまで海外のお客様に通じるのかチャレンジしてみたいと思い応募しました。

小戸田 私は英語があまり得意ではありませんが、外国でのコミュニケーションには興味があったので、海外案件にぜひ携わりたいなと。不安はありましたが思い切って一歩踏み出してみようと考え応募しました。

山元 私は複業として参加したわけではなく、海外統括本部から声をかけてもらい、ベトナムから参加しました。ベトナムに赴任すると、もちろんベトナムのお客様の特徴は把握できるようになりますが、逆に発想がベトナムにローカライズされがちです。そのことを意識しながら、単に参加するだけではなく、他の出展者、あるいはシンガポールそのものの雰囲気に広く目を配るよう心掛けようと考えていました。

――3か国をまたいでのやりとりは大変なことも多かったと思いますが、いかがでしたか

杭岡 思ったよりも大変でしたね。様々な拠点・部署から集まったほぼ初対面のメンバーで、オンラインのみでのやりとり。さらに、海外のメンバーはイベントの出展自体が初めての試みであり、最初はかなり手探りで、登る山の高さがわからないというか、途中で行くべき道を見失ったりすることが多かったですね。

栗田 最初の頃は何がわからないかもわからない感じだったので、助け合いながら徐々に進めていきました。

メンバー全員で練りに練って生まれた居酒屋デザイン

――今回のブースデザインは非常に注目を浴び、賑わいをつくるプロとしての船場の強みが発揮されたと思います。しかし、当初はまったく違ったデザインだったそうですね。

椎葉 最初は居酒屋デザインになるとは1ミリも予想していませんでした。いわゆる展示会らしい、「おりこうさん」のブースを作ろうと考えていました。そんな中、社長より「これでは何が言いたいのかわからない」という指摘があり、そこから、人が立ち止まりインパクトを感じてもらうためにはどうしたらいいのか議論が始まったんです。いろいろな意見が集まった中で圧倒的に人気が高かったのが居酒屋デザインでした。
でも、僕は設計者の立場として正直「大丈夫かな」と思っていました。ちょっとコミカル過ぎないか、笑われて終わりじゃないかと。そんな不安もありつつ、最後はみんなが言うことを信じて「これで行こう」と腹をくくりましたが、結果的に多くの人の興味を引き、足を運んでもらえました。

小戸田 実は私も、このデザインで本当にお客様に来ていただけるのか不安がありました。ただ、展示会は立ち止まってもらわなければ何も始まりませんから、その点で「?」から始まるようなデザインの意外さがうまく表現できたかなと思っています。

杉田 居酒屋デザインになってから、「やるなら徹底的に」とアイディアを出し合いました。居酒屋デザインに合わせた法被やメニュー風の会社案内などのアイディアが生まれ、ブースのコンセプトがより明確になったと思います。

目標を大幅に超える来場者数を実現

――イベントの具体的な成果について教えてください。

椎葉 連絡先を交換させていただいた方が460名でしたので、ご来場いただいた方の全体数では500名に達したのではないかと思います。300名を目標に設定していたので、想定よりも多くの方に来ていただけました。

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栗田 FINDから2ヵ月経った時点で、すでに来ていただいたお客様から案件のご相談をいただいている状況です。しっかりと成果に結びついている実感があります。

――複業として参加したみなさんは、今回の海外出展に参加したことでどんな学びがありましたか?

杉田 今まで仕事で英語を使うことを怖がっていましたが、「意外といけるじゃん。何とかなるんだな」と実感しました。個人的には大きな実りでしたし、これで終わりにせず、今後もしっかり学んでいこうと思いました。
また、海外の実績もローカルのスタッフのこともぜんぜん知らなかったんだなということも、実感したことの一つです。今回の出展で生まれたローカルのスタッフとの繋がりを私達だけにとどめるのではなく、もっと会社全体で繋がり、理解を深めていけたら、海外の事業により強い会社になれるのではないかと思いました。

上野 今までは国内でしか出展の経験がありませんでしたが、海外で展示会に出展しても成果は上げられることがわかったことが一番の学びです。
また、私は今回、国内でのイベント出展の経験をもとに海外での営業運営マニュアルの作成を担当しましたが、日本と海外では文化的に異なる部分があり、学びになりました。例えば、来ていただいた方に飲み物をおすすめし、オーダーを取る場合、日本ではすぐにオーダーに答え、手に取ってもらえることが多く、それによってブースの滞在時間を長くできるのですが、シンガポールでは断られるケースが多かったんです。ただ、スタッフがブース内で説明をしているタイミングで別のスタッフが飲み物を差し出すと受け取っていただけるケースも多かったので、そうした運営上の細かい学びを今後展示会業務を行う際や通常業務にも活かしていきたいです。

小戸田 デザイン面では、たとえ国が違っても、何をすべきかというコンセプトをしっかり考え、それを突き詰めれば、しっかり結果に繋がるのだと学びました。また個人的なことでは、挑戦することがあまり得意ではないのですが、挑戦することの大切さと、挑戦が楽しいことだと知りました。いろいろな挑戦ができる環境があることを忘れず、これからもどんどんチャレンジしていきたいです。

山元 シンガポールはアジアの中でも、テクノロジー的にもデザイン的にも最新のものが集まる国であることを実感しました。ベトナムではまだまだこうした展示会は難しいですが、個人としても会社としてもこの状況を知ることができたのは大きいと思います。いつかこの経験をベトナムなりにアレンジして展開できればと思いますし、それを当社が他に先駆けて仕掛けていくことも不可能ではないだろうと思っています。

わからないことに一歩踏み出したことが最も大きな成果

――今回の海外出展を踏まえ、今後の展望や目指すところを教えてください。

椎葉 グローバル企業やローカル企業との接点を増やしていくことは積年の課題でありつつ、なかなか実現できていませんでした。それが今回できたということは大きな一歩だと思います。
ただ、ローカルの企業と仕事する際は、日本人特有の常識や価値観に捕らわれずに思考する力、異なる文化や価値観、バックグラウンドへの理解を深めることが大切だと痛感しています。ありがたいことに今回の出展を通して、ローカル企業をはじめとする海外の企業の方と会議をしたりする機会が増え、その難しさを改めて実感しています。しかし、大いに挑む価値のある、やりがいの大きい挑戦として前向きに取り組んでいきたいと思っています。

杭岡 複業で参加していただいた人には、私が日頃思っていたことや海外での経験をある程度伝えられたと思っています。海外の仕事というのはかなり特殊な状況ですので、それを社内に還元しなければもったいないと思っています。これを機に、社内の他の人達にもどんどん広げていってほしいですね。

栗田 わからないけどやってみた、それで一つ終えることができた。この経験は大きいと思います。今後はそれをどう仕事に結び付けていけるかです。今回、500名もの方に来ていただきました。何が一緒にできるかを聞き、話さなければいけない方たちがまだまだいらっしゃいます。そこをどんどん開拓し、展示会の成果をより大きなものにしていきたいと思っています。

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