人がそこで暮らしているという雰囲気。
または、人らしい雰囲気。 住居がそこそこに乱雑であることを婉曲的に言う場合にも用いられる。
生活感のある空間が好きだ。
子供のころから「誰かの家」に行くのが好き。
親戚の家に泊まるのも、友達の家に遊びに行くのも非常に楽しみでした。
今でも古い商店などで、売場からその奥の居住スペースが見えると楽しい気分になります。
都築響一さんの 写真集「TOKYO STYLE」
主に東京でリーズナブルな住居に住んでいる人の部屋が延々と続く写真集。
インテリア雑誌のようなスタイリッシュな空間は一切出てきませんが何故か癒されます。
大型家具店で部屋風ディスプレイを見るのも楽しいですね。
古民家カフェもオウチ的で落ち着きます。
京都には「おばんざい」を食べさせる小さなお店が沢山あって生活感満載です。
「オウチ」的というよりほとんど家そのものだったりします。
お店作りのお手伝いをさせていただいた上野パルコヤ「UrbanConfort」
アーティストの女の子のアトリエルーム兼住空間をコンセプトとしてデザインしました。
現在(2020年5月)リモート会議が一般的になってきました。
テレビの番組でも自宅から出演者が参加していたり。
それぞれの画像の背景で自宅が一部見えたりしますが、実はとても新鮮に感じます。
「生活感」のある自宅の風景から今まで知らなかったその人の意外な「パーソナリティー」やその人ならではの「個性」が感じられるからです。
そしてやっぱりそれぞれ自分の空間が落ち着くからでしょうか、表情もリラックスして見えます。今までよりも親近感を感じる人も多いのではないでしょうか。
今の状態をきっかけに、「離れているけど、より近く感じる」そんな変化を起こしたいですね。
そして、店舗や商業施設などは、どちらかというとスタイリッシュに整頓された「非日常空間」を目指すことが多いように思います。
それはそれで素敵なのですが、ちょっと抜けがあるというか、ある種の「生活感」のあるデザインがあっても良いのでは?と思います。そこに「空間を提供する人や集団」の人となりの「隙」を感じさせるデザインができたらいいなと思います。
やっぱり「生活感」のある空間って、いいですね。
Author:葛谷征巨(EAST事業本部)